家を買うとき、多くの人は「今の快適さ」「間取り」「立地」を重視します。
しかし住宅の本当の価値は、住んでいる間ではなく、
最後にどう評価されるかで決まります。
・売却のタイミング
・相続のタイミング
→この時、いくらで評価されるのか?
ここが、あなたが家にかけたお金の『答え』になります。
はじめに|家にいくらかけたかは、最後に決まる
住宅にかけたお金は、あくまであなた個人の支出です。
しかし、住宅の価値は市場が決めます。
極端な話ですが、
『あなたが支払った金額』<『最後に売ったり、相続したときの評価額』
後者が高ければ、
あなたは実質、お金を持ち出さずに家を買えた。
という考え方もできます。
この視点を持つかどうかで、
家の選び方・残し方は大きく変わります。
『日本の住宅市場』の現状と『中古住宅』の立ち位置
中古住宅は見直され始めている
日本では、中古住宅の流通割合は約13〜15%程度。
アメリカやイギリスなどの先進国の70%〜80%に比べ低いですが、
とは言え、新築価格が上がり続ける中で、
中古住宅を現実的な選択肢として見る人は確実に増えています。
国土交通省も、
『中古住宅流通とリフォーム市場の活性化』を重要政策として掲げています。
住宅ローン金利が変わると、家の見られ方も変わる
低金利時代は「新築が有利」だった
日本では長く低金利が続き、
新築住宅でも月々の返済額が抑えられてきました。
そのため、
「多少高くても新築を買う」という判断が成立しやすかったのです。
金利が上がると、「新築主義」が変わる
金利が上がると、
月々の返済負担は確実に重くなります。
そうなると、買い手はこう考えます。
・ローンを組む金額に限度を感じる。
・新築を建てる必要があるのか。
・中古をリノベーションした方が得ではないか。
事実、アメリカと日本の住宅ローン金利を比較すると、30年の元利均等返済型でも差がつきます。
| 比較項目 | 日本(例) | 米国(例) |
|---|---|---|
| 住宅ローン金利 | 0.8〜1.9%前後 | 約 6.1%前後 |
| 月々支払額 | 約 20〜28万円 | 約 42万円 |
| 総返済額 | 約 7,200〜10,000万円 | 約 1億5,000万円以上 |
中古住宅の価格は「不確実性」で決まる
情報がない家は、安く見られる
買い手から見たとき、
中身がよく分からない家は「ブラックボックス」です。
・どこを修繕しているのか。
・どこに問題が起きているか。
・適切な保全がされているのか。
分からないものは、安全側に倒して、
安く買いたくなるのが人間です。
買う時は、修繕に使う金額も入れて、買える金額として提示します。
修繕履歴がある家は、価値を説明できる
修繕履歴は「安心の証拠」
設備交換や修繕の履歴は、
ただのメモではありません。
それは、
「この家は、こうやって維持されてきました」
と説明できる材料です。
・給湯器
・キッチン
・外壁
・屋根
・配管
履歴が残っているだけで、
買い手の不安は大きく下がります。
図面は「ある」だけでは足りない
PDFや紙の図面の限界
多くの家には、
紙やPDFの図面は残っています。
ただし、これは
「見るための資料」であって、
将来の検証や改修には十分とは言えません。
CADデータ(DXF・DWG)が価値の土台になる
DXFやDWGといったCADデータは、
寸法・構造・設備位置などを正確に持つ設計データです。
設計者がパソコンのソフトウエアで扱うファイルになります。
CADデータがある家は、ブラックボックスにならない
CADデータがあれば、
・リフォーム設計が正確にできる
・現況との差分を確認できる
・専門家が客観的に評価できる
つまり、
不確実性を下げられる家になります。
これは将来の評価額に、確実に影響します。
これからの人がやるべき具体策
契約時に受け取りたい資料
最低限、次の2つは意識したいところです。
・PDF図面(閲覧用)
・CADデータ(DXF/DWG)
可能であれば、
CADデータの受領を契約条件に入れることも検討していいと思います。
将来の住宅価値は、こう考える
価格ではなく「評価可能性」
住宅価値は、
・土地+建物
ではなく、
・土地
・建物
・説明できる情報
で決まる時代に近づいています。
同じ築年数でも、
情報が揃っている家と、そうでない家では、
評価が変わるのは自然な流れです。
まとめ|家をブラックボックスにしない
これからの住宅市場では、
・修繕履歴
・図面
・CADデータ
こうした「情報」が、
家の価値を守る武器になります。
家は建てた瞬間ではなく、
最後にどう評価されるかで、本当の価値が決まります。
今住んでいる家を、
将来も選ばれる家にするために、
情報を残すという視点を持っておく価値は大きいはずです。
以上、良い家づくりを!
ちょこ旅でした。

