家づくりの総額はいくら?予算オーバーを防ぐための費用一覧と考え方

『気づいたら、予算を超えていた』
家づくりをした人の多くが、最後にそう言います。

予算を決めて、住宅ローンを組んで、無理のない範囲で進めるつもりだった。
それでも、打ち合わせを重ねるうちに、少しずつ増えていきます。
地盤改良が必要になった。外構が思ったより高い。

そして最後に思う。こんなにかかるはずじゃなかった。


実は、「予算オーバーに気づけている」だけでも、まだいい方です。
調整できる余地があるからです。

でも中には、気づかないまま進んでしまい、
住み始めてからローンの負担に苦しむ人もいます。


このズレは、特別な話ではありません。
むしろ、一般的に起きていることです。

なぜなら、家づくりは「総額」だけ決めても、コントロールできないからです。


目次

家づくりは「総額」ではなく「使い方」で決まる

家づくりを考え始めたとき、
多くの人が最初にやるのが「総額の予算を決めること」です。

これは、とても大事です。
ただし、それだけでは足りません。

家づくりは、金額のスケールが大きすぎます。

家電をまとめて買う時のように、
いくつかのの金額を見て判断できるものではありません。

地盤、建物、外構、家具、ローンや税金。
いくつものお金の払い先があります。

先にかかるお金に追われているうちに、
「気づいたら外構費用や家具を買う費用がなくなっていた」ということになります。

家づくりは、総額だけで管理するには、あまりにも複雑すぎるのです。


いい宿を思い浮かべてみる。

ここで少し、参考になる宿の話を。
宿は儲けなければいけないので、家づくり以上に建築費にシビアです。

いい宿に泊まったとき、
なんとなくこう感じたことはないでしょうか。

・落ち着く
・動きやすい
・また来たいと思える

でもそれは、「どこもかしこもお金をかけた建物だったから」ではありません。

・建物の設備
・外構の整え方
・家具の配置
・照明の当て方

すべてがバランスよく設計されているからです。


家も同じです。

建物だけにお金をかけても、
外構や家具が整っていなければ、完成度は上がりません。


家づくりの初期費用|全体像を知る

では実際に、どこにお金がかかるのか。

「住める状態」にするまでの費用を整理します。


■ 調査・土地まわり

・地盤調査、測量
→ 約100万円前後

・地盤改良
→ 約100万〜300万円
※地盤によって大きく変動する。
→かかる可能性があるものとして、最初見ておくべき。
 かからなければ、その分を、家完成後の旅行代に回しても良い。

・造成費用
→ 必要な場合のみ。かつ、土地の形状によっては数百万以上かかるケースも。
※場合によっては、土地を買い直した方が合理的なケースもあるので、こちらは見積もりが必要。


■ 建築・外構

・建築費(本体+付帯工事+設備工事)
→ 坪110万円以上(現実的には120万円以上)
 ※木造として

・外構費(駐車場、庭、フェンスなど)
→ 坪10万円以上(内容によって大きく変動)

建築費も外構費も、あなたがどのレベルの家を考えているかによって違う。
豪華なものを考えている方は、是非色々調べたり、聞いて回る中で割り増しをすることお勧めします。



ここでよくある落とし穴をご紹介
「坪〇〇万円」という言葉には、外構が含まれていないことが多いです。
建物だけで予算を考えると、
外構に回すお金がなくなります。


■ 生活に必要なもの

住宅の工事費を考えるとき、「施主支給にして安くする」という話をよく耳にしませんか。
確かに、施主支給によって多少安くなるケースもあります。

ただし、不動産開発の現場では基本的に行いません。

理由はシンプルで、「建物を運用するためにに必要なもの」はすべて“初期投資”として捉えるからです。
施主支給とは、単に施主が代わりに費用を負担しているだけで、本質的なコスト削減にはなっていません。

それよりも、その時間を使って
・他にコストを下げられる部分はないか
・同じ使い勝手で仕様を見直せないか
を検討する方が、全体として効率的です。

・カーテン
・照明
・エアコン
・家具、家電
・ベッド
などなど

※ベッド一つでも、ニトリにするかシモンズにするかで価格は大きく変わります。
→自分が求めるグレードを明確にし、あらかじめ予算に組み込んでおきましょう。

よくあるのが、住宅購入という大きな支出のあとで金銭感覚が緩み、
本来は余裕があるわけではないのに、高級家具や高価な家電を選んでしまうケースです。

これは総額での予算管理ができていないことが原因で、結果として将来の生活を圧迫してしまいます。
あらかじめ“住み始めた後に必要な費用”まで含めて考えておくことが大切です。

ネット回線工事は、別費用になることも多い
→事前に確認し、予算に含めておきましょう。

■ 土地関連(必要な場合)

・土地代
・仲介手数料
→不動産会社を通す場合に発生します。
 ※戸建て住宅にはすでに織り込まれている場合が多いです。

■ 設計

・設計費
・工事監理費
→例えば、工務店に施工を依頼する際に、別途設計事務所へ依頼するケースがあります。

※施工会社を持たない設計事務所への依頼は、やや上級者向けです。
ただし、使いこなせれば非常に魅力的な住まいが実現できるのも事実です。

上級者向けと言われる理由
設計事務所は、自由度の高い設計やデザイン性に優れた提案が強みです。
その一方で、設計内容によっては
・特殊な建材を使用している
・規格外寸法の窓や建具を採用している
・施工条件が難しい
といったように、施工難易度が高くなる場合があります。

これは、設計の自由度が高いからこそ起こる特徴です。
→そのため施主には、『どこに価値を感じて取り入れるのか』『どこは現実的に調整するのか』
といった取捨選択をしつつ、増額要素も事前に把握するしながら総額をコントロールする力が求められます。

もしくは、設計の意図をそのまま実現するための予算を確保する、という判断も一つです。

■ 税金・登記

・登録免許税(司法書士報酬含む)
・不動産取得税
→必要になってきますので、折り込みが必要です。

■ 住宅ローン関連

住宅ローンを組むのであれば、必要な金額が発生してきます。
・つなぎ融資費用(工事中金利)
→ 完成前に発生する利息。
・住宅ローン事務手数料
・保証料(※一括型の場合)
・火災保険、地震保険(※一括が多い)
・抵当権設定費用
・印紙代

■ その他

・引っ越し費用
・仮住まい費用
→注文住宅を作る方に多い費用です。
 色々な支払いや、工事中金利などが、家の施工中にかかってきますので、注意が必要です。

■ 予備費(必須)

家づくりでは、想定外がほぼ確実に発生します。

・地盤改良
・仕様変更
・外構の追加

この余白がないと、どこかを無理に削ったり、予算オーバーを起こすことになります。

▼予備費の考え方についても書いていますので是非。

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なぜ、多くの人が予算オーバーしてしまうのか

なぜ、多くの人が予算オーバーしてしまうのか。
理由はシンプルです。

『建物の金額だけで考えてしまうから』

その結果、外構は後回しになり、家具にお金が回らず、
完成したはずなのに、どこか未完成な家になってしまいます。

本当に見るべきは、「建物価格」ではありません。
『住める状態にするまでの総額』です。

そしてもう一つ大事なのは、総額の“使い方”。
同じ予算でも、配分次第で暮らしやすさも満足度も大きく変わります。

家づくりとは、「高い家を建てること」ではなく
“バランスよく整えること”。

いい宿がそうであるように、
建物・外構・家具がつながって、はじめて価値になります。

あなたの家が、完成した瞬間から「いい」と思えるものになりますように。
良い家づくりを!
ちょこ旅でした。

▼おすすめの本などもまとめていますので、是非読んで見てください☺️

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この記事を書いた人

夫婦ともに1級建築士
(夫:施工管理→不動産開発/妻:施工管理→設備設計。)

建築や不動産業界の経験をもとに、
『失敗しない宿選び』
『失敗しない家づくり』
を伝えるべく活動中

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