家づくりは設計後が大事|施工中に施主がやるべき5つのこと【建築士が解説】

家づくりは設計が終われば安心ではありません。
建物の質は施工中の現場で決まります。
施工管理を経験した建築士が、施主が現場でやっておくと良いことを6つ紹介。
写真の残し方、職人との関係、図面確認など実践的に解説します。

目次

家づくりは「設計が終われば安心」ではない

設計が終わると、
『あとは家が建つのを待つだけ』
そう思う方は多いのではないでしょうか。

建築業界でも、
『設計が終われば家づくりの8割は完成』
と言われることがあります。

ですが――
最後に建物の質を決めるのは、現場です。

どれだけ素敵な設計図を書いても、
それを現実の建物にするのは
職人や施工管理が動く「現場」です。

材料を扱う職人、
現場をまとめる施工管理、
日々の細かな判断。

その積み重ねが、
最終的な建物の質になります。

だからこそ家づくりは、
設計が終わってからも大切な時間が続きます。

今回は、施工管理と発注者(不動産開発者)のどちらも経験した立場から
施主として現場でやっておくと良いことをまとめました。

これから家づくりをする方は、
ぜひ参考にしてみてください。


施工が始まったら、施主がやっておくといいこと


① 現場では、できるだけ写真を撮る

家づくりでは、完成すると見えなくなる部分が大量にあります。

建築業界ではこれを
『隠蔽部(いんぺいぶ)』と呼びます。

例えば

・基礎などの床下
・柱や梁の金物
・断熱材
・防水処理
・配線や配管
・下地材

こうした部分は、完成後にはほぼ見ることができません。

だからこそ、施工中に
できるだけ写真を残しておくことをおすすめします。

後から

『この壁の中ってどうなってるんだろう?』
と思ったとき、その写真がとても役に立ちます。

長く住む中で、家の修理は必ずするもの。
壁や床のどの部分に何があるかを写真で残しておくことはとても助かります。

そして、もう一つ。

これは少し現場目線の話ですが、

写真を撮られる現場は、空気が少し変わります。

人は誰でも
見られている仕事は丁寧になります。

もちろん監視する必要はありません。
監視の気持ちでいると、プロの職方は嫌な気持ちになるので逆効果です。

例えば、

『すごいですね、こんな風になっているんですね』
『図面から本当に建物ができるってすごい!』

そんな風に声をかけながら写真を撮れば、
嫌な気持ちになる職人さんはいません。

むしろ、

建物がどう作られているのかを知る良い機会にもなりますし、

作る側からすると、『見られている』という緊張感も生まれます。


② 現場は、結局「人」でできている

少し正直な話をします。

建築現場は、
最後は人で決まる世界です。

職人の方は本当に優秀な方が多いです。
それと同時に昔気質な方も多い業界でもあります。

良くも悪くも

・義理
・仁義
・好き嫌い

こうした人間関係を大切にする文化があります。

だからこそ、
ちょっとした差し入れは意外と効果があります。

高価なものは必要ありません。

例えば

・缶コーヒー
・お茶
・スポーツドリンク

それだけでも十分です。

現場にとって

『この家の施主さん、感じいいな』

そう思ってもらえるだけで、
現場の空気は少し変わります。

建築は、機械ではなく
人がつくる仕事です。

だからこそ、
人との関係を大切にすることは決して無駄ではありません。

あなたも、好きな人のためにする仕事と、知らない人のためにする仕事。

この二つが並んでいれば、やりたいのはもちろん好きな人のためにする仕事です。


③ 設計図と施工図は、実は別のものと知る

これは家づくりをしていても
あまり知られていない話です。

正直に言います。

設計士が書いた図面だけでは、建物は建ちません。
(※もちろん、設計図がないと建物も建ちません)

設計図は、

建物の考え方
空間の構成
デザイン
性能

などを示す図面です。

しかし、実際に建物を作るためには

施工図

という図面を作ります。

施工図は

・金物の位置
・細かい寸法
・納まり

などを細かく落とし込んだ、
現場のための図面です。

つまり建物は

設計図

施工図

現場施工

という流れで出来上がります。


④ 図面を持って、現場を見てみる

もちろん、設計士は
工事監理業務として図面通り施工されているか確認します。

ですが、

目は多い方がいい。

設計士も人間ですので見逃しもあります。
そして何より
その家に住むのは、あなたです。

図面を持って現場を見ると、

『あれ?図面と少し違う?』

と感じることがあります。

現場では

・最新の変更が図面に反映されていない
・施工図と設計図の差
・現場判断による変更

こうしたことは
普通に起こり得ます。

だからこそ、

図面と現場を一度見比べてみる

これは決して無駄ではありません。


⑤ 工程表をもらう。

『施主はどれくらい現場を見に行けばいいですか?』
よく聞かれる質問です。

結論から言うと、
行けるなら多い方がいい。

ただし、毎日行くのは現実的ではありません。

だからこそ大事なのが
「節目のタイミング」で現場を見ることです。

・地盤改良後
・地縄張り(建物の位置決め)
・基礎工事中
・上棟前後
・断熱施工のタイミング
・ボード施工前
・完成前

このあたりのタイミングで一度現場を見ることができると理想です。

理由はシンプルです。

このタイミングは、建物の重要な部分が“見える瞬間”だからです。

例えば――

上棟のタイミングでは
→ 建物の構造が見えます。

断熱施工のタイミングでは
→ 建物の性能に関わる部分が見えます。

ボード施工前では
→ 配線や配管が見えます。

完成後は、
これらはすべて壁の中に隠れてしまいます。

だからこそ大切なのは、

「見えるうちに、一度見ておくこと」

これだけでも、家づくりの安心感は大きく変わります。

そのためにおすすめなのが、
工程表を共有してもらうことです。

建築の現場では一般的に

  • 総合工程表(工事全体のスケジュール)
  • 月間工程表
  • 週間工程表

といった形で、工程が管理されています。

メールなどでこれらを共有してもらえるようにしておくと、
気になるタイミングで現場を見に行くことができます。

工程を知っているだけで、
現場との距離はぐっと近くなります。

そしてそれは、
家づくりの安心感にもつながります。


まとめ

家づくりは、
設計が終われば終わりではありません。

最後に建物の質を決めるのは
現場です。

だからこそ

・現場を見る
・写真を残す
・職人さんと良い関係をつくる
・図面と現場を見比べる

こうした小さな行動が
建物の質を守ることにつながります。

ここまで頑張ってきた家づくり。

完成まで、
もう少しだけ気を抜かず関わってみてください。

その時間もきっと、
家づくりの大切な思い出になります。

みなさんの家づくりがより良いものになりますように!
以上、ちょこ旅でした。

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この記事を書いた人

夫婦ともに1級建築士
(夫:施工管理→不動産開発/妻:施工管理→設備設計。)

建築や不動産業界の経験をもとに、
『失敗しない宿選び』
『失敗しない家づくり』
を伝えるべく活動中

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